死ぬまで現役で働きたいので
ここに来ました
公共職業訓練校に通うにはまず面接と筆記試験を受け合格せねばならない。合格後そのまま試験会場となった訓練校で勉強するか、委託を受けた民間会社が運営する別の教室に通うかいずれかになる。以前の訓練校は後者だったがとてもためになる授業ばかりだった。さて今回はどんな学校だろうか。南の訓練校は定員20人に対し受験者数は16名。15名以上合格者がいないとプログラム自体開講されないのでギリギリである。みんながアホでないことを祈った。漢字や数学の筆記試験を受け面接へ。女性の面接官3人に対しこちらも3人椅子に座るという形式。自己紹介をして志望動機を聞かれるありふれた面接だった。絶対に落とされるわけにはいかない俺はビシッ!と背筋を伸ばし面接官に、
「保険業に携わり実際にこの目で見てきましたが職業によりその仕事を続けられる年齢的・体力的リミットというものがある。がしかしWebにはない!スキルさえあれば老いさらばえてベッドに寝たきりになっても情報発信できるし稼げる!私は!死ぬまで現役で働きたいのでここに来ました!!」
目をクワッ!見開いて言ってやった。ブチかましたった。ここまで情熱をほとばしらせて面接受けた奴おらんやろ。べしゃりのプロのトークを目の当たりにして他の受験生の椅子が気持ち1mほど後ずさったように見えた。面接官の眉毛も藤岡弘のようになり、(こやつ…やりおるわい!)と唸っている様子だ。これは勝った。合格どころか「今すぐウチで働いてくれないか!」と面接官が机を飛び越え取締役待遇でオファーしてきそうな勢いである。勝利を確信し面接を終え帰宅。その日は静かに薄暗く霧雨が降っていた。
合否って心臓に悪いよね
一週間後に届いた合格証書を見て安堵。正直落とされたらどうしようとドキドキしていた。学科は問題ないが面接、ああいう場だとついつい営業マンの病気が出て笑いを取ったり罠を仕掛けたりして人心を掌握しようとしてしまうのだ。我々はほっといたら相手を惹きつけつつ何時間でも無限に喋れる特殊な訓練を受けたおっさんなので真面目な面接官の顔を見ているとウズウズと(あと2時間引っ張ってみようかな…?)とか思ってしまう。今回はだいぶ我慢して短めにわかりやすく終わらせたつもりなので大丈夫だろうとは思っていたがやはり合格通知を待つのは何歳になっても不安である。もし落とされたら怪しい健康食品の会社に就職して面接官の家を一軒一軒まわってやろうと思っていた。
Webプログラミング訓練校を選んだ理由
合格通知を持ってハローワークに報告。来月からWebプログラミング訓練校に通うことになった。どうせ旅をするのならその様子や写真をWebに載せ収益化できればより長くより多くいろんな土地をまわれると考えたからだが、なにより「日本中の見たこともない景色や文化や人、みんなにシェアせんともったいないやん!だってみんなも見たいよね?」と思ったからである。そのためには情報を世界に発信するためのプログラミングスキルが不可欠。これがプログラミング訓練校を選んだ理由だ。もちろん職業訓練校に通うための命題として「再就職する意欲があり、チャンスがあれば職に就くことができること」という条件があるので就職活動も並行して行う。旅より魅力的な会社があれば就職するのもやぶさかではない。以前お世話になった訓練校ではOfficeとWebが半々だったが、今度はWebがメインである。より実戦的な技術が習得できるはずと期待に胸膨らませ入校式を待った。
策士策に溺れて訓練校難民になるの巻?
電車で南の訓練校へ。どちらにするか迷った北の訓練校は都会だったが、どのみち学生の頃毎朝乗ってた北行きのギュウギュウ満員電車をもう味わいたくなかったので田舎である南の訓練校へ行きたいと思っていた。予想通り電車内は空いており、椅子に腰かけのんびり景色を眺めながら通学できた。大正解だった。敵を知り、己を知らば百選危うからず。こんな総合的な判断ができるようになったのも社会経験を積んできたおかげだ。私が若造であれば「やっぱ行くなら北っしょ!北行ってスタバ行ってマック広げるっしょ!タートルネックで!」とイキがっていただろう。そんな無価値な物のために時間とお金を無駄にするなど狂気の沙汰だ。その辺わきまえた落ち着きのあるジェントルメンおっさんの私は賢い選択で南へ針路をきった。前に行った訓練校にはおもしろい人たちもいたし授業内容も初めて触れるパソコンということで刺激的で楽しかった。今はもうある程度仕事でパソコンは使えるようになっているのでより深いWebの授業で新たな刺激が受けられるか楽しみだ。南の街へはよく車で仕事に来ていたが駅を使うのは初めて。見慣れた街も歩行者として見上げると景色が変わるものだ。少し緊張し地図を見ながら訓練校へ。今回の訓練校も面接会場とは違う場所にある、委託を受けた民間会社が運営する教室だった。建物を3階に上がり教室へ入る。そこにはシーン…とした静寂の中、クラスメイト14名が座っていた。
あれ?一人落ちた?てことは開講できる最低人数15人ギリギリ?あっぶね~。