開業して会計ソフトを導入しよう
- それでも生きるあなたへ BLOGS -
旅に出ると一言で言っても、ほとんどの人が連休を利用してとか、有給休暇をガッツリ使ってとか、転職の間の準備期間を充ててとか手段は様々になるだろうが、わたくしの場合"全人生を懸けて"になるのでその辺の準備もしなくてはならない。
というわけで旅立ちに向けて取り組んだことその5
◇開業して会計ソフトを導入したい
サラリーマンとして日々勤労しておられる人にはなんのこっちゃ意味がわからんと思うが、今後サラリーマンという枠を抜けて個人で事業を営みたいという人もいるだろうから、ここでは特に「なぜ開業する必要があるのか?」「なぜ会計ソフトが必要なのか?」「事業主になるまでの流れと心構え」「サラリーマン以外の人生を選択すると何がどう変わるのか」という部分を解説していく。
開業が必要な理由
なぜ開業する必要があるのか?
わたくしの場合『長期間旅に出て発信し利益を得たい』という明確な指針があったためサラリーマンやりながらは無理だし、得た利益もかかった経費も確定申告が必要になるので「個人事業主に、俺はなる!」一択だった。
…と、保険屋時代個人事業主や法人向け営業をやってきたのでそういう考えも慣れてしまってサラッと言ってしまったが、おそらく保険屋になったばかりの頃の俺は「は?意味がわからん。俺みたいな文系でも理解できるようにわかりやすく言ってもらっていいですか?」と能面のような無表情で嫌味を言っていたはずなので今言った話の内容をキーワード別にわかりやすく解説する。
- 「長期間旅に出るのでサラリーマンは無理」
職場に4年に1度しか姿を現さないけどたった1日でそれを補って余りある成果を叩き出してまた4年後までさようなら…なんていう日暮さんのような超絶スキルは私にはないのでその条件で雇ってくれる会社なんて無い。従って自分の食い扶持は自分で稼ぐ個人事業主になるしかないということ。 - 「開業」
サラリーマンを辞めて何かしたくても充分な貯金があれば別に開業しなくてもいい。収益化する必要もないし売上がないのだから確定申告も超簡単。ただ自分の場合、そのような潤沢なゼニはないし、何より「事業化した方がおもしろそう」というモチベーションで動いているので開業した。ちなみに開業は個人事業主になるのもよし、法人(株式会社など)の社長になるのもよし、事業形態や見込める売り上げに応じてメリットの多い方を選択すれば良い。
開業届は管轄の税務署に提出する。俺は個人事業主としての開業届と青色申告承認申請書を提出したが、職員さんが30秒ほど書類を見て
「はーい。じゃあ何かあったらまた連絡しまーす。」
と「あ」っという間に完了してしまった。え?これで俺事業主?と呆気にとられるほど早かった。2月だったからかしら。外では確定申告待ちの客が職員と大喧嘩していた。やはりこの時期の税務署は殺気立っていて良い。 - 「青色申告」
1年間の売上や経費や利益を税務署に申告(確定申告)する時、帳面のつけ方や種類、窓口に提出するかデータで送信するかにより税金の控除額が変わる。つまり節税できる金額が変わる。個人事業主には白色申告と青色申告があり、青色申告の方がより精密な帳簿とデータ送信が必要になるが節税メリットが高い。
ちなみになぜ「青色」と「白色」というのかというと、昔から青は誠実さと信用の象徴とされ、より詳しく正しい納税をする者には青色申告者として税の優遇を。それ以外の一般的な納税者は特に優遇せず青色と区別するため白色とする、みたいな考えがあったらしいが…諸説あります!
(※これを言えば間違っていても全て許されると思っています) - 「得た利益もかかった経費も確定申告が必要になる」
開業していようがいまいが一定額以上の報酬を得たら確定申告が必要になる。確定申告とは「1年間でこれだけ売上があり、これだけ経費が掛かり、これだけの利益が残りました」ということを税務署に申告する制度のこと。それにより今年度の利益が確定し、次年度の納税額が決定する。具体的にいうと1月1日から12月31日までの売上-経費=利益を管轄の税務署に申告する。サラリーマンの場合、この作業を「年末調整」という形で会社が契約している税理士さんがやってくれるが、あなたが事業主であり税理士にお願いしないのなら自分でやりなさいねということです。簡単な話でしょ?
余談だが該当する人にとっては重要なことなのでお伝えしておくと、サラリーマンであっても前職を退職して翌年再就職する人は確定申告が必要になる。なぜなら年末調整してくれる税理士さんがいないから。そのまま何もしなかったら生命保険料控除も介護保険料控除も地震保険料控除も社会保険料控除も国民健康保険料控除も一切受けられずものすごく損をするので退職した会社の源泉徴収票と各種保険料控除額が記載されたハガキを並べて税務署の公式Webサイトで手続きすることを強くオススメする。その際、確定申告するとふるさと納税のワンストップ納税が無効になるので改めて手動でふるさと納税分も申告することを忘れないでね。手続きは簡単だしわからない部分があればネットやYouTubeで調べればいいし税務署に行かず完了するので楽。調べてもわからなければ直接税務署に行き職員さんにアドバイスをもらいながら手続きしてもよし。尚、これは確定申告の中の『還付請求』と呼ばれる制度のため税務署の年明け営業日以降いつ申告しても良い。確定申告でよく聞く「2月16日から3月16日まで」というのは還付請求には関係ない。でもだからといって延ばし延ばしにせず早めに手続きしてね!リメンバー夏休みのともの法則!
以上、一部の人だけが得をする余談でした。
開業届を出していれば「〇〇業だからこの出費は経費になる」と明確に仕訳することができるので運営が楽になる。よっぽど何かを隠そうとしない限り継続して報酬を得るなら公明正大に開業届を出しておくのが吉。ちなみに税務署はターゲットのお金の動きを全て知っているのでズルしてたら必ずバレる。いや、バレてると言った方が的確だろう。「だってガサくらったことないもん!」と言う人もいるだろうがそれはたまたま順番が来てないだけ。元保険屋として言う、これマジぞ。
ズルしてるのがバレたらどうなるのか?
『不正な経費を否認される→その分利益が増える→その分税金が増える→利益が増えた分に掛かる税金と罰金の納付命令→事業主、泣く』
なのでジタバタせずに「経費とは何か?」「帳簿とは何か?」を勉強して正しい経費の使い方を記録に残していこう。そんな暇ねぇよ!という人は税理士さんと契約し相談すれば大丈夫。この税理士選びに関しても保険屋時代いろんなことを経験したのでお話しできることはあるが長くなるのでまた次回に。 - 「会計ソフトの導入」
わたくしの場合、保険業という仕事柄顧客の会社の決算書を取り扱う機会が多かったので、売上と経費(法人の場合「損金」という)、その結果の利益や税金という流れを理解していたのであとは帳簿付けさえできれば税理士に頼らずとも確定申告できる状態だったが、簿記・記帳の経験がなかったためお勉強し、最終的にHTMLとCSSとJavaScriptで自分用の会計ソフトを作ってやろうと思っていたが「実は1年間の利益から最大65万円の税控除ができる方法があって。そのやり方は…」的な要件の中に「過去入力したデータを編集したら履歴残るようにしといてね」というものがあったのでそのプログラミングを勉強して実装する労力と、簿記にはめっちゃいっぱいの帳簿があって尚且つそれが連動していないといけないということを知り大人しく『やよいの青色申告オンライン』という会計ソフトを導入した。
保険屋時代弥生会計は多くの会社が導入していたし、改めて比較検討しても第一線のソフトのようだし、何より年間1~2万円くらいする使用料が初年度無料なのでお試しも含め契約してみた。契約する前に開業届と青色申告承認申請書も弥生さんのWebサイトで簡単に作れたので好感度も上がっていたし。
で、実際に使ってみて思った。これは良いものだ。入力しやすいのもあるけど税改正にも勝手に対応してくれるし全ての帳簿が連動しているし、これを全て自分で作って毎年更新していく労力を考えればコスパは大変良いと思う。お問い合わせサポートもあるし、経営初心者が陥りそうな経費の間違いQ&Aもとても参考になる。普段からキチンと入力さえしていれば確定申告も一瞬で終わるだろう。わたくしは前職の仕事柄こういう入力をルーティン化することに慣れているが、いつも2月の確定申告シーズンにワーワー言うてる事業主たちは『夏休みのともの法則』に則りいまだに全てを最後まで放置している人たちである。やらなくてはならないことを先延ばししても何一つ良い事なんて無いので一日も早く自分を変えてほしい。と、元夏休みのとも放置勢のわたくしがエールを送っておく。
サラリーマンに有って
事業主に無いもの
開業に伴う用語を解説したが、知ってる人からしたら「なにを当たり前のことを…」だし、知らない人からしたら「全部初耳なんですけど!」だろう。少なくとも開業するとなると前述の手続きが必要になるがまぁこの辺はあまりお金は掛からない。個人事業主の場合税務署への書類提出はもちろん無料だし、事業登録費用なんてものも無い。代行業者や税理士さんにお願いすれば料金かかったりするのかもしれないけど自分でやれば全部無料である。個人的には開業届関連が最も簡単で、税の勉強や簿記の勉強の方が難しく、さらにその上にプログラミングの勉強やカメラの勉強やパソコンの勉強や、それら機材をどこから買うかスペックを勉強して比較検討することの方が数段難しく時間も掛かった。これはおそらくみんな似たような流れになるだろうからこれから新しい事をやろうとしている人は参考にしてほしい。
そしてここからは元保険屋さんだからこそ詳しく解説できる大事な話なのだが、noteとかに有料記事として載せられる価値ある内容だが載せ方がわからないのでここに無料で書く。実は"そこ"を切り口に保険商品が存在し、多くの契約者を獲得するほどの『サラリーマンに有って事業主に無いものなーんだ?問題』が存在する。それは、
『事業主と家族従事者には労災保険が無い』
これは事業主になる人とその家族の人生に関わることだから絶対に覚えていてほしい。
労災保険とは仕事中のケガや仕事に関連する病気に対し充分なケアができるよう国が管理している保険のこと。この保険だけが持つ唯一にして最大の長所はズバリ一点、
『該当するケガ、病気に対する治療費の自己負担は永遠に不要』
元プロとして断言するが、こんな凄い保険は民間含め他には無い。
そもそも労災保険とは「被使用者(従業員)がその業務に従事する際に負ったケガや病気に対し使用者(事業主)が充分な補償ができるよう備えておくもの」なのでこのように手厚い仕様となっている。もちろん事業主の資金で充分な補償ができるなら労災保険を使わなくても良い。要するに「ウチの仕事でケガ・病気させてごめんね。治療費はこちらで無期限・無制限で持つからゆっくり治療してきてね」という風に従業員を守りなさいということ。しかしそれは同時に「被使用者(従業員)のための保険であって、使用者(事業主)は対象外だよ」ということでもあるので個人事業主や法人の代表取締役・取締役は労災保険に加入できない(保護されない)のである。さらに注意すべきことがあって、
『個人事業主で国民健康保険証なら仕事中のケガ・病気であっても1~3割負担で普通に病院へ行けるが、法人の取締役が社会保険証で病院に行っても10割負担になる』
という恐ろしいことが起きる。10割負担なんてとんでもない額になるし高額療養費制度も使えず自己負担は青天井になってしまうので是非とも避けたいところだがなぜこんなことが起きるかというと、
『国民健康保険には「仕事中・プライベートの概念が無い」けど社会保険には「有る」』から。
社長や取締役や従業員が会社で加入し、保険料の半額を会社が持ってくれる社会保険には「仕事中か、それ以外か。」みたいなカリスマホスト的発想があり、「仕事中のケガ・病気は労災保険で対応してくださいね」と住み分けされてるので前述の取締役さんは仕事中のケガ・病気で社会保険証を病院に提出しても使えないのである。窓口で「それ労災保険の管轄ですので。」と突き返されることになる。じゃあ労災保険を使おうにも法人の取締役は労災保険に加入できないので詰み。個人事業主だと最大3割、法人取締役なら治療費全額を自己負担しなければならない。これが多くの経営者が知らない恐るべき落とし穴である。
対策は2つ。
対策その1 『政府労災特別加入制度を利用する』
それじゃあんまりだからと設立された、国がやってる個人事業主や法人経営者向け労災保険。最近対応業種も拡大されている。従業員用労災保険に比べ内容が若干異なるが治療費永久無料のスペシャル特約はしっかり付いているので安心。ただし実際に現場で当事者たちから聞いた生の声として、
- 特別加入労災保険を扱う組合に費用を支払って組合員登録せねばならず、組合費の集金業務もあったので面倒だった。
- 配達中ケガした時、仕事中のケガだと立証できる目撃者はいますかと言われ一人だったので「いない」と答えたら保険対象外となった。
- 会社内の倉庫を整理していた際、取締役が脚立から落ちてケガをしたが目撃者がいなかったので保険対象外となった。
- 保険金が支払われるのがとにかく遅かった。
などがあったのでご参考までに。ちなみにそのような話を聞かせてくれた経営者たちはみんな政府労災特別加入制度を脱退していた。大変良い制度ではあるが万能ではないことは知っておくべき。何事もそうだけどね。
対策その2 『民間保険会社の保険に加入する』
ここでさっき言ってた"そこ"を切り口にした保険商品があるよ、という話につながってくる。
簡単に言うと自己防衛。手厚く守られたサラリーマンとは違い労災保険も無い、特別加入しても運悪く保険対象外となったなど散々な目に遭った経営者を助けてくれるのは自己防衛でかけた民間の保険以外無い。
これを"経営者の自助努力"という。
自分で自分を助けるための努力をしなきゃいけないなんて何とハードモードな人生か。なのでこの先事業主となり経営者として会社の舵をとっていく人は自助努力をしっかり考えながら自己投資してほしい。
多くの経営者からよくこんな言葉を聞いた。
「経営者というものはこれだけ国から何もしてもらえないのかということを痛いほど知った。」
ね?経営者って大変でしょ?
いつものんびりサボっているように見える御社のハゲ社長の肩、たまには揉んでやってください。
なんだか大変そう…
心が折れるなら今の内に
開業からお勉強、事業主の重大な落とし穴まで解説したが正直いろいろやること多すぎてめんどいと思った人も多いのではないだろうか。実際めんどい。しかも資格が必要な職種になるとさらに資格取得のための労力や費用が掛かるので労力さらにドン!だろう。サラリーマンというと地味な響きだが強固な国の制度に守られているし、健康保険料半額で収入が保証されている点非常に有利である。経営者の諸先輩方もよく遠い目で「サラリーマンがいいよ…安定してるし。」と仰られていた。なのでサラリーマン生活になんの不満もなく充分な収入を得られているのならいつか開業したいという野望があっても性急に行動する必要はないし、この記事がその辺の行くか退くかみたいなあなたのタイミングの参考になれば幸せに思う。
しかし!
それでも"やりてぇ事"があるんだよぅ!と武丸ばりにイカれた…もとい志高き者が事業を起こし、挫折し、退場し、成功していくのであって、俺の場合自分もその場に立つと決断したのだから、いつか「やっててよかった事業主!」と公文スマイルで宣言できるよう精進して参りたい。
収入を得られるかどうかわからない未知の分野に足を踏み込むのは無謀だし怖いし不安ではあるが、ガタガタ会社の文句を言いながら生きていくのはもう終わりだと思えばスッキリして楽しい。
何かを失って何かを得る。
これからの人生、得る物の方が多くなるよう手加減よろしくお願いします。ドSの神様。